【小説】ギターケースに夢と希望だけ詰めこんで

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「ただコード弾いてブーンって鳴って、そしたら音楽だ」

って、パンクの帝王・シド・ヴィシャスが言ってたな。

 

仲間とギターを弾く楽しさ。最高のグルーヴを奏でた瞬間の高揚感。今私には恋人がいる。このパンクバンドのドラマーだ。

 

以前の彼も音楽好きだった。さらに同じ洋楽ハードロック(どっちも20代だが)などが好きと分かって熱く語り合った。最初のやりとりから楽しかった。良い思い出だ。

連絡先を聞き出してからは、「他に趣味とかあるん?」とLINEが来たので、「ダーツとか行くよ!」と返してた。で、「いいな!」と言われたので「一緒に行こ!」と私から言い、彼はあっさりオッケーしてくれたので、近所のダーツカフェで遊ぶことに。私はダーツが趣味と言ってはみたものの、まだまだ始めたばかりでヘタクソだったんだよな。まあ、中途半端、浅く広くが私の性なんだけど。彼はダーツ初めてだっただが、いきなり初心者にしては上出来の500点をいきなりたたき出したんだよな。私負けてるじゃん。何やらダーツカフェに置いてあったルールブックを見て色々考えているように見えたので、理論的な人なんだな、って。

 

その後、5回目ぐらいかな。デートに行ったとき、遊園地の観覧車の中で告白された。

「今言うのもなんやけど、良かったら…付き合ってくれへん?」

「いいよ」

「吊り橋効果かな」

「…どこでもオッケーしてたから。」

このとき私が彼とお付き合いすることになってから、1年半。その後別れて、もう半年が経つ。今私は幸せだけど、不意に思い出すんだ。

 

 彼とは遠距離で別れた。…って私が好き放題してたのも良くなかったんだろうな。まあ音楽っていう好きなことを追いかける姿勢も全く理解されなかったし。言ってみれば合わなかっただけだ。

でもちょっと、今では反省してる。もっと彼に誠実にしてれば。他の男と会ってなければ。

 

でも今更後悔したって仕方ないんだ。私には最高の音楽があるから。そして、最高の恋人がいるから。音楽があれば、目の前の世界は変わる。そして目の前のハッピーが広がっていくんだ。だから今日も、私は音楽を奏でる。

 

 

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